当園のぶどう栽培は90年以上前に山の斜面を開墾し
デラウェア栽培をしたのが始まりです。
南向きで日当たりの良い斜面の園地で今も1房ずつ丁寧に向き合いながら、
デラウェアや大粒ぶどうなど30種類以上を育てています。
この地域は甘さと酸味のバランスが良く、濃い味わいのぶどうが育ちます。
先代まではぶどうの栽培のみでしたが現在は作業場を改装しぶどうの直売と、
自社のぶどうを使ったぶどうパフェなどを提供するカフェや、
ジェラート・ドライフルーツ・お菓子・ベーグル・ケークサレなどの製造、
ジュース・委託醸造のワインの販売も行っております。
デラウェアを種無しにするジベレリン処理作業
朝夕の寒暖差によりブルーム(白い粉)がのった美味しいぶどうが育ちます。
ハウス栽培のため雨の日も休むことなく栽培から直売まで家族で行っていました。
朝早くから暗くなるまでのぶどうの手入れ作業や発送など
家族だけでは追い付かなくなり、夏の農繁期だけ雇用をしていました。
しかし農作業などの技術をやっと覚えたころに冬季間に入り
農作業が出来なくなってしまいます。
そのため通年で雇用することが難しく
一年ごとに新しい方を雇用するという状態が5年ほど続きました。
そのため、農作業がない冬季間の仕事を作り人材を育てていきたいと思うようになりました。
年間のぶどう作業
ぶどう園は毎年3月からビニールがかけられます。雨風の影響を受けず作業ができます。
冬季間は雪に覆われます。
冬季間の仕事を作るため、2013年から6次産業化に挑戦し、
ぶどうの直売を行っていた作業場を改築し、カフェ営業を始めました。
また、加工施設での菓子製造やドライフルーツの製造も始め、
2015年にはアイスクリーム類製造業の許可を取得し
自社のぶどうをレーズンに加工し使用した
ラムレーズンジェラートからジェラート製造も始まりました。
その後、6次産業化の認定を受け、
ぶどうや地元産のフルーツを使った余計なものは入れないことに
こだわった加工品作りに力を入れてきました。
商品やメニュー開発では小さい頃からアレルギー体質で
食べ物で体調を崩す体質だった当園のスタッフが、
なるべく添加物を使わず誰もが健康に食べられる食品のレシピを独学で作ったことで、
ジェラート・ドライフルーツ・お菓子・ベーグルなどたくさんの商品を開発しました。
当園で製造するどの商品も原料にも製法にもこだわってお作りしていますので、
同じような体質で困っている方にも
当園の商品をぜひ手に取っていただきたいと思っています。
そんな思いで商品の製造・販売を続けた結果、
1年を通して様々な事業を展開することが出来るようになっていきました。
果物や野菜を乾燥させる常温乾燥機
2014年に連日続く大雨のため、
2つの園地のぶどうがほぼ全滅し生食で発送できなくなりました。
それでも辛うじて残ったぶどうをジュースやドライフルーツに加工し
販売することでピンチを乗り越えることが出来ました。
その後も当社だけでなく近隣の農家さんから
天候不良により生食で販売できない農作物を買取し
ジェラート・ドライフルーツ・ジャム・ジュース・ワインなど
新しい商品に生まれ変わらせるお手伝いをしています。
通常なら「商品を作るために原料を仕入れる」のですが、
当社の製造は毎年の天候や作柄に合わせて、『原料があるから商品を作る』という考えで、
様々な商品を作っています。
食品加工事業は近年の異常気象により、収穫しても生食で販売できない農作物を、
廃棄せずに原料として利用することで『もったいない』を減らすことにもつながっています。
山形県産の果物を使った加工品やカフェメニュー
今までカフェの営業で冷凍のぶどうを使用していて、
通年でぶどうパフェやアフタヌーンティーのフルーツ盛り付けなどに提供してきました。
ぶどうの収穫期にぶどうを少し軸を付けて1粒1粒切り
丁寧に洗浄・殺菌・再洗浄してから乾燥させた後、
空冷式の瞬間冷凍機を使用して瞬間冷凍しておりました。
それでも充分おいしく提供できていたため、
液体冷凍の存在は知りつつも空冷式で十分だろうと考えていました。
ところがセミナーで当園のぶどうを液体冷凍して食べてみたところ、
空冷式と比べて食感や味・凍り方が明らかに違っていて、
生のフルーツに近い甘みや香りを感じ、冷凍なのに嚙み切れる新感覚の食感でした。
その理由は、空冷式の急速冷凍よりも短い時間で凍らせることにより、
細胞が壊れにくいからだと考えられています。
またスイカやメロンなどもテストしてみましたが
その美味しさにびっくりし衝撃の出会いになりました。
それから液体冷凍についてとことん調べて
昨年のぶどうを凍眠できる時期に購入したく10月に購入しました。
性能は期待通りで利便性も高くとても満足できる製品でした。
凍眠でりんごの冷凍をしている様子
ぶどうミックスの作業風景
凍眠の導入によって、カフェ営業の中でぶどうパフェやアフタヌーンティーなどで
冷凍ぶどうを盛り付けていた部分を凍眠仕様に変えることにより、
今までより冷凍感が少なく食べやすいぶどうになり、
素材本来の魅力を最大限に活かしたメニューをご提供できるようになりました。
その後も様々なフルーツでテストしたところ、
どのフルーツも凍眠によって美味しさや食感がしっかりと保たれることが分かりました。
そこで、この美味しさをそのままお届けし、いつでも好きな果物を
食べていただきたいと思い、様々な試験を重ね、
凍ったままでも美味しく食べられる冷凍フルーツとして、
より多くの方に味わっていただけるよう製造・販売を本格的に進めることにしました。
この度、凍眠を導入し365日販売できる商品『時よ止まれ!たべごろ果実』を
開発することにより、新たな看板商品として
季節を問わず皆様に“旬のおいしさ”をお楽しみいただきたいと思っております。
今年山形県は『やまがたフルーツ150周年』にあたり、
様々なイベントやPR活動をしております。
漆山果樹園では冷凍フルーツのパッケージを
山形県とのタイアップ企画商品に認定していただき、
ロゴマークを入れた可愛いパッケージが出来上がりました。
2013年 カフェ営業開始
2017年 百貨店催事販売開始・酒類販売業許可取得(通信販売含む)
2018年 山形土産菓子コンテスト優秀賞受賞『漆山クッキー』
2019年 ポケットマルシェ・食べチョクなどの農家専門サイトに掲載開始
南陽市六次化コンクール最優秀賞『桑の葉茶ジェラ―ト』
2021年 山形放送『肉盛りツアー』より武田真治さんと丸山桂里奈さんが来園
2022年 日本ギフト大賞にて当園の『ぶどうのジェラート3種』が
「ふるさとギフト最高賞・山形賞」のダブル受賞
『バターサンド デラウェア』がジャパンフードセレクション金賞受賞
NHKあさイチで生中継(さくらんぼパフェ)
野菜ソムリエ8月開催の野菜ソムリエサミットで『デラウェア』が金賞受賞
2024年 野菜全国ぶどう選手権で銀賞受賞『ハニーブラック』
ニッポン全国物産展に出店時『シューイチ』で放送
野菜ソムリエ12月開催の野菜ソムリエサミットで『枝付き干しぶどう』が
金賞受賞
2025年2月 『いくらかわかる金』で放送
第26回全国果樹技術・経営コンクール 農林水産省農産局長賞
第26回全国果樹技術・経営コンクールにおいて農林水産局長賞を頂きました。
2025年2月20日 東京都 法曹会館